保守サービスにはいくつかの種類がありますが、特によく利用されているのが「オンサイト保守」と「センドバック保守」です。どちらも機器トラブル時の対応方法として知られていますが、対応の流れや作業場所、利用者側の手間には違いがあるのをご存知でしょうか? そこで本記事では、両者の特徴を整理し、それぞれのメリット・デメリットを踏まえながら違いを分かりやすく解説していきます。導入や契約を検討する際の参考になるでしょう。
センドバック保守のメリット・デメリット
センドバック保守とは、機器に不具合が発生した際、対象機器をメーカーや保守業者へ送付し、修理・交換を受ける保守形態です。オンサイト保守と比べてコストを抑えやすい一方、対応スピードや運用面で注意すべき点もあります。
ここでは、センドバック保守のメリットとデメリットを整理して解説します。
センドバック保守のメリット
センドバック保守の最大のメリットは、保守費用を抑えながらも必要十分な保守体制を維持できる点です。オンサイト保守の場合、技術者の派遣費用や交通費、人件費などが発生するため、保守費用全体が高くなりがちです。
一方、センドバック保守は発送・受け取りによる対応となるため、人件費や移動コストがかからず、全体的な運用コストを抑えられます。IT機器の台数が多い場合や重要度の低い機器に対しては、コストパフォーマンスの高い選択肢といえるでしょう。
故障した機器を預けている間は機器を使用できませんが、先出しセンドバックの場合には前もって代替品を送付してもらうことが可能です。代替品の到着後に修理したい機器を窓口に送る形となるため、機器が使えない期間を最小限に抑えられます。
また、修理はメーカーや専門業者の工場で行われるため、整備された環境で点検・修理が実施されます。部品交換や動作確認も標準化された工程で行われるため、修理品質が安定しやすい点もメリットです。
さらに、保守対象機器を一括で管理しやすく、契約内容も比較的シンプルです。社内に高度なITスキルを持つ担当者がいなくても運用しやすく、中小規模の企業や拠点数の少ない環境にも向いています。
センドバック保守のデメリット
一方で、センドバック保守には対応に時間がかかるというデメリットがあります。機器の取り外し、梱包、発送、修理、返送といった工程が必要になるため、復旧までに数日から数週間かかるケースもあります。その間、業務が停止する可能性があるため、緊急を要する場合には注意が必要です。
修理期間については業者やメーカーに直接問い合わせて確認してみましょう。依頼する前にどの程度の時間がかかるのかを把握し、その期間を業務計画に適切に組み込む必要があります。
また、修理を依頼した機器が戻ってくるまでの間は代替機を用意する必要があります。先出しセンドバックの場合には、故障した機器を送付する前に業者やメーカーが代替品を送ってくれますが、後出しセンドバックだと前もって故障品を発送しなければなりません。
先出しセンドバックであれば代替品の到着後、すぐに業務を再開できますが、修理代や保守契約料は先出の方が高額になりやすい傾向にあります。機器が使用できない状態が続くと事業への不利益が大きいときや緊急を要する対応が求められるときなど、状況に応じて先出しか後出しかを選ぶといいでしょう。
センドバック保守は、コストを抑えつつ一定の保守体制を確保したい場合に適した選択肢です。一方で、復旧スピードや業務影響を踏まえ、自社のシステム重要度や運用体制に合っているかを見極めたうえで導入することが重要です。
オンサイト保守のメリット・デメリット
オンサイト保守とは、IT機器やシステムに障害が発生した際、保守業者の技術者が現地に訪問して修理や部品交換を行う保守形態です。障害対応のスピードや安心感が大きなメリットですが、セキュリティ面など注意すべき点もあります。
ここでは、オンサイト保守のメリットとデメリットをわかりやすく解説します。
オンサイト保守のメリット
オンサイト保守の最大のメリットは、障害発生時に迅速な対応が期待できる点です。技術者が直接現地に来て対応するため、機器の発送や返送といった工程が必要ありません。業務停止の影響を最小限に抑えられるため、基幹システムや業務上重要な機器を運用している企業にとって大きな安心材料となります。
また、専門知識を持つ技術者が現場で対応するため、作業内容を明確に把握することができる点も特長のひとつです。センドバック保守の場合、故障した機器をメーカーや業者に送るため、どのような作業を行っているのか不透明な部分があります。
本当に該当箇所の修理をしてくれたのか、内部の部品は新しいものに交換してくれたのか、といった不安を抱く心配がありません。目の前で作業を進めてくれるため、安心して任せられます。
さらに、気になる点や不明点などがあればその場で技術者に相談することができます。疑問をすぐに解消できる点も、オンサイト保守ならではの強みです。
オンサイト保守のデメリット
一方で、オンサイト保守はセキュリティ面への配慮が欠かせません。外部の技術者が社内で作業するため、情報漏えいリスクが高まります。業務内容や導入している設備など、外部に情報が洩れる心配があるのであれば、依頼する前に配慮する必要があります。
セキュリティ対策の一環として、入館手続きを導入している企業も多いのではないでしょうか。入館の際に、必要書類に企業名・氏名などを記入してもらうだけでなく、身分証明書を提示してもらうことで、情報漏えいリスクを軽減できます。
また、オンサイト保守を利用する際には、保守契約方法も慎重に検討しましょう。保守契約を交わさず、必要に応じて依頼する「スポット保守」という手段もありますうが、スポット対応の場合はその都度、工賃や部品、交通費・出張費といったコストが発生する可能性があります。依頼する頻度によっては、年間契約を結ぶよりも高額になるケースもあるため、注意が必要です。
オンサイト保守は、迅速な復旧と安定運用を重視する場合に適した保守形態です。コストや契約条件を踏まえ、自社の運用体制やシステムの重要度に合った形で導入を検討するとよいでしょう。